AIにルール整理を任せるなら「種類」ではなく「判断の役割」で分類する
AIに複雑なルールの整理を頼むと、見た目の整った分類表を作ってくれます。
私もFXのトレードルールを整理したとき、時間足やインジケーターの種類で分ける案を見て、一度は分かりやすいと思いました。
しかし、その分け方では、実際の判断でその情報が何を決めるのかが見えにくくなりました。
そこで分類の軸を、情報の種類ではなく「判断の役割」へ変えました。
「何分足か」より「何を決める情報か」
たとえば4時間足の高値、安値、支持抵抗は、すべて4時間足の情報です。
ただし実際の判断では、役割が同じとは限りません。
ある場面では売買位置を決める主な情報になり、別の場面では方向性を補強する材料になります。
また、4時間足で安値切り上げが止まったからといって、すぐ反対方向の実行条件になったわけではなく、「警戒」に留めて扱う場合もありました。
そこで、時間足や名称だけではなく、次のような役割へ分けました。
- 位置を決める
- 方向性を補強する
- 実行タイミングを測る
- 警戒する
この記事で扱うのは売買判断そのものではなく、複雑なルールをAIへ整理させるときの分類方法です。
同じ種類の情報でも、役割は違う
同じ移動平均線でも、何を見るかによって役割が変わります。
傾きを見るなら、現在の向きや勢いを判断する材料になります。
位置関係を見るなら、時間軸どうしの構造や距離を見る材料になります。
両方を「移動平均線」という1つの箱へまとめるだけでは、実務でどう使う情報なのかが分かりにくくなります。
これはAIに限った話ではありません。
人が作る表でも、項目名や種類だけで整理すると、判断するときの役割が抜けることがあります。
「候補」と「成立」を同じ意味にしない
判断ルールを整理するときは、中間状態も残します。
実際のルール整理では、条件の一部が合っている「候補」と、実行条件まで揃った「成立」を分けました。
さらに、次の4つも別に持つようにしました。
- 何を狙っているか
- 今どの状態か
- 何が揃えば成立するか
- 何が起きたら見送るか
AIが表を短くまとめようとすると、こうした段階を1つの列へ集約したくなることがあります。
しかし、元の判断で意味が違うものは、整理後も分けて残します。
既存の分類がある仕事では、先に正本を渡す
展示会の出品分類を整理したときは、すでに正式な24分類がありました。
この場合、AIに新しい分類体系をゼロから作らせる必要はありません。
先に既存の24分類を渡し、その中から第1候補、次点、除外理由を考えてもらう形にしました。
既存の社内分類、商品カテゴリ、業務区分がある場合も同じです。
分類そのものを作らせる仕事なのか、既存分類へ当てはめる仕事なのかを先に決めます。
「現在の状態」と「変化の方向」も分ける
Excelの判定表を作ったときには、「現在どうなっているか」と「どちらへ変化しているか」が同じ列に入りかけたことがありました。
そこで、現在状態と変化方向を別の項目にしました。
この考え方は、AIに分析表やデータベースを作らせるときにも使えます。
- 現在の状態
- 変化の方向
- 判定結果
意味の違うものを別フィールドにしておくと、後から見ても何を表す値なのかを確認しやすくなります。
AIへ分類を頼む前に3つ確認する
私は、ルール整理を頼む前に次の3点を確認するようにしています。
- この分類で何を判断したいのか
- 分類軸は「何であるか」ではなく「何を決めるか」になっているか
- 整理後も元の判断条件の強さや段階が残っているか
表の見た目がきれいなことと、元の判断ロジックを再現できることは別です。
今日からできること
今使っている分類表を1つ選び、各カテゴリについて「これは何の種類か」ではなく、「この情報で何を決めるのか」を1文で書いてみてください。
役割が書けないカテゴリがあれば、分類軸を見直す候補です。
生成AIの利用ルール全体を整理したい場合は、生成AIガイドラインの作り方も参考にしてください。
判断基準や分類ルールを次の仕事へ使い回せる形で残したい場合は、AI改善OS Starter Kitに、ガイドライン、実例、完成プロンプト、改善ログをまとめています。