AIに比較を頼む前に「動かせない条件」を先に書く|一般論のおすすめを避ける方法
AIに「AとBなら、どちらがいい?」と聞くと、比較表を作って、分かりやすくおすすめを出してくれます。
価格、機能、アクセス、使いやすさ。
一般的な比較なら、それで十分なこともあります。
ただ、実際の仕事では、表には出てこない条件で結論が変わることがあります。
私も大きなイベントの開催地と時期を比べたとき、最初はアクセスや気候などの一般的な条件で比較していました。
でも、その後に運営上の事情や過去の実績を足すと、単純な順位では決めにくいことが分かりました。
それ以来、AIに比較を頼む前に、「動かせない条件」を先に出すようにしています。
最初の比較は、自然だけれど一般的だった
最初にAIへ渡していたのは、候補となる場所や時期など、表から見える情報が中心でした。
すると、AIも一般的な比較軸を使います。
- アクセスしやすいか
- 気候はどうか
- 周辺環境はどうか
- 運営しやすそうか
どれも間違った視点ではありません。
ただ、実際に決めるときには、それだけでは足りませんでした。
あとから確認すると、私たちの側には、
- 何を一番優先したいのか
- 日程をどこまで動かせるのか
- 関係者の事情として外せないものは何か
- 過去に同じ条件でどうだったか
といった条件がありました。
これらを足すと、「どちらが一般的に便利か」ではなく、自分たちの条件ではどちらが合うかを見なければならないことが分かります。
AIは、渡していない条件までは分からない
これはAIが比較を間違えた、という話ではありません。
こちらが渡していない事情は、AIも判断材料にできません。
たとえば仕事でサービスを選ぶときも、一般論だけなら「機能が多く、料金が安いもの」が上位に来るかもしれません。
でも実際には、
- 今のシステムをすぐには変えられない
- 契約の更新時期が決まっている
- 特定の担当者しか扱えない
- すでに似た仕組みを運用している
といった事情があることがあります。
こうした条件が抜けたまま比較すると、きれいな比較表はできても、自分の仕事には合わないことがあります。
比較前に4つへ分ける
今は、AIへ比較を頼む前に、条件を次の4つへ分けています。
- 目的:今回、何を一番よくしたいか
- 動かせない条件:守れない案は選べないもの
- できれば守りたい条件:大事だが、調整できるもの
- 過去実績:自分たちが実際にやった結果
この4つを先に出しておくと、AIが勝手に比較軸を決める範囲を小さくできます。
動かせない条件は、点数で平均しない
比較表を作ると、すべての項目に点数を付けたくなります。
ただ、絶対に守る条件まで点数にすると、少し変な結果になることがあります。
たとえば予算上限を超えている案が、機能の点数で挽回して総合1位になっても、その案は実際には選べません。
そのため私は、
まず動かせない条件を満たすかを見る → 残った案を比べる
という順番で考えています。
「守らないと選べない条件」と「できればかなえたい希望」を、同じ重さで混ぜないためです。
一般的な評価より、自分たちの実績を重く見ることもある
比較するときは、世の中の一般的なデータが役立ちます。
一方で、自分たちに過去の実績があるなら、そちらを重く見る場面もあります。
大きなイベントを比べたときも、一般的な立地評価だけでは差がありそうに見えました。
でも過去の開催実績を見ると、私たちにとっては単純な優劣では説明しにくい結果が出ていました。
もちろん、過去がそのまま未来を保証するわけではありません。
それでも、自分たちが実際に経験したデータを、一般論と同じ表の端に置かないことは意識しています。
最初のおすすめは、途中で変えていい
AIが最初に「こちらがおすすめです」と答えると、その結論を基準に考えたくなります。
でも、あとから大事な条件が出てきたなら、最初の結論に合わせる必要はありません。
私は条件を追加したら、
先ほどの結論はいったん外して、この条件で比較し直してください。何が結論を左右しているかも教えてください。
と頼むようにしています。
さらに、
どの条件が変わったら、結論も変わりますか?
と聞いておくと、「なぜその案なのか」が見えやすくなります。
今日からできること
次にAIへ比較を頼むときは、いきなり「AとBならどちら?」と聞く前に、4行だけ書いてみてください。
- 目的:
- 動かせない条件:
- できれば守りたい条件:
- 過去実績:
そのうえで、
この条件を使って比較してください。動かせない条件を満たさない案は、点数比較の前に分けてください。
と頼みます。
これだけでも、一般的なおすすめから、自分の仕事に合った比較へ近づけやすくなります。
こうした判断条件や実例を、次の仕事でも使える形に残したい場合は、AI改善OS Starter Kitに、ガイドライン、実例、完成プロンプト、改善ログをまとめています。